【運営スタッフコラム】アーユルヴェーダ医師インタビュー①

先日、会社のインド人の同僚とコヴァラムビーチにあるアーユルヴェーダ施設を訪れました。この施設を運営しているドクターはビーチ沿いに住んでおり、地元の人や、ビーチを訪れる外国人観光客を相手に施術を提供している方でした。ドクターの住んでいるコヴァラムビーチはヨーロッパや中東などの旅行者の間では有名な場所です。ここには何件かのアーユルヴェーダ施設があり、観光客向けに多種多様な施術を提供しています。私達の訪れた場所は他に比べると小振りな施設でしたが、とても心地よく滞在することができました。私はアーユルヴェーダのドクターに会うのは初めてで、非常に緊張していましたが、ドクターは優しく丁寧に質問に答えてくれました。
ここのドクターはとても経験豊富な方で、患者の食事の摂取量や施術プランを作ることにより、いろんなタイプの病気の治療を行ってきました。

ドクターによると、ここのアーユルヴェーダ施設のベストシーズンは11月から2月ごろで、これはケララ州の観光シーズンが関係しているようです。オフシーズンは観光客も少ないので、ドクターは主に地元の人達の治療にあたり、毎日早朝5時から夕方6時頃まで働いています。シーズン時期にアーユルヴェーダを経験しに来る旅行者はドイツ、オーストラリア、ロシアが多いそうです。このアーユルヴェーダ施設はビーチの近くにあるため、観光客が気軽に施設に立ち寄りやすい立地といえます。ドクターがスリランカに出向いて、現地の人たちに施術を行うこともあります。

アーユルヴェーダは最近、日本人の間でも人気が出てきているようです。去年、ドクターは2人の日本人に施術を行ったそうです。時間に余裕のない旅行者のために、それぞれの都合に合った日数でも施術を受けられるようにアレンジされているため、1日だけでもリラックスのため、アーユルヴェーダのマッサージを受ける人が多いようです。

Q1. アーユルヴェーダの恩恵について教えて下さい。

A1. アーユルヴェーダは自然のものを使用して病気を治すため、副作用を伴わない治療法です。そのため、治療に長い時間かかりますが、体に負担がかからず非常に良い効果を得ることができるのです。現代医学の薬はとても治りが早いので皆それを服用していますが、早く治るということはそのぶん強いため体に負担がかかりやすく、副作用を伴う場合もあります。ひとつのことを長い間続けることは難しいと思いますが、アーユルヴェーダ薬は現代医学の薬に比べると体に優しいため、もしアーユルヴェーダ薬を試してみる機会があるなら挑戦してみるのも良いのではないでしょうか。

アーユルヴェーダ薬は製造の過程において化学物質が入っておらず、自然の植物などをベースとして作っているため人体への害はほとんどありません。対して、現代医学の薬は化学薬品を合成してつくられるため、副作用などをもたらす可能性があります。アーユルヴェーダの治療の特徴は体内の免疫システムを復活させることだけでなく、現代医学の薬のように病気の症状を抑制させる効果もあります。つまり、アーユルヴェーダ薬の主な目的とは病気の治療だけでなく、今後起こりうる病気を予防することにあるのです。

私はドクターに私の症状のことを相談してみました。子供の頃から風邪でもないのに鼻水がよく出る症状を持っていたのです。ドクターにそのことを伝えると、彼はあるアーユルヴェーダの薬を持ってきました。

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それは約5mlほどの液体で、ツンとする刺激の強いにおいがしました。ドクターは私に座ったままの姿勢で上を向くように指示し、おもむろにその薬を私の鼻の穴に注ぎ込みました。ドクターは薬が鼻から口、胃まで通っていき、気持ち悪いかもしれないが何も心配はないという事を説明してくれました。しかし、薬を入れた直後からくしゃみが止まらなくなり、鼻をかみたくてしょうがなくなりましたが、ドクターは5分待ってからでないとかんでは駄目だと言って許してくれませんでした。5分間耐得た後鼻をかんでみると、ものすごい量の鼻水が出てきました。3,4回立て続けにかみましたが、鼻水は出続けました。しかし20分ほど経つと鼻水は止まり、頭もスッキリとしていました。それは私にとって初めてのアーユルヴェーダの経験だったので、とても驚きました。しかしドクター曰く、これは一時的に鼻水を止めるだけのものなので、完全に治したいなら長期的な治療が必要とのことでした。この薬の原材料はキャノンボールの花、白色の蝶豆、ドラムスティックの葉(ワサビノキ)とのことでした。ドクターによると、ドラムスティックの葉や花は副鼻腔炎や鼻風邪に効果的だそうです。

Q2. 脉診をするだけで、どうして病気がわかるのですか。

A2. これは子どもの頃からのトレーニングの成果です。家系はアーユルヴェーダを生業としてきたため、アーユルヴェーダの技術が家族から代々受け継がれてきました。このアーユルヴェーダの技術は大学などで数年間勉強しても習得するのは極めて難しいと思います。これには何年間にも及ぶ経験が必要であり、ほぼ全てのアーユルヴェーダ医が身につけている技術です。更にドーシャは季節によって変わるため簡単なものではありません。脈診をする際は、男性の場合は右手首の脈を測り、女性の場合は左手首の脈を測ります。

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ドクターは人差し指、中指、薬指の3本の指を私の手首に当てて、10秒ほど脈を測りました。この脈診のことをアーユルヴェーダではナーディ・パリークシャーといいます。私の脈を測るときは左手首だけでなく、首筋の脈も測られました。ドクターは私が何かの病気を持っていると説明してくれましたが、今のところ私にそのような徴候はないような気はします。ドクター曰く、アーユルヴェーダは病気の予防の効果が期待できるため、病気の徴候が現れる前に施術を受ける必要があるそうです。病気を事前に防止するために、施術を受けることを検討しなければならないような気がします。

Q3. アーユルヴェーダにおける食事の概念について教えて下さい。

A3. アーユルヴェーダにとって食べ物は最高の薬です。長い目で見れば、あらゆる治療体系のなかで食事療法がもっとも優れています。そのため、アーユルヴェーダにおいて本当の健康のためには、正しい食事療法が不可欠だと言われています。身体の病気のほとんどは、誤った食事のとりかたに原因があるとされています。自分の体質に合っていない食べ物を食べてしまったとしたら、それによりドーシャバランスの乱れを引き起こしてしまい、体内に毒素が溜まる原因になります。体内に溜まった毒素は、肩こりや便秘、体重増加などの原因になります。アーユルヴェーダの教えによると、白湯は消化に非常に良いとされています。これは白湯の温度が臓器を活発にするのにちょうど適した温度だからです。

Q4. アーユルヴェーダの実践は時代の中で変わってきたと思いますか。

A4. アーユルヴェーダの実践は長い時間をかけて変わってきたと思います。近年、人間の体は水や空気から汚染されていると感じます。アーユルヴェーダが生まれた数千年も前はこれらのものは汚れていませんでした。しかし、特に産業革命以降は環境が変わったため、有害な化学物質などが体内に入り込んできました。世界中で大気汚染は特に問題視されています。これは人の目や鼻、呼吸器系に直接影響を及ぼします。これらの病気は世界中でアーユルヴェーダ発祥の時代はみられなかったものです。
また、海も有害物質に汚染されているため、魚を食べることにより人間も同様に汚染されます。これが有害な毒素が体内に入り込む原因のひとつだと感じます。アーユルヴェーダでは病気を治療するために植物などの天然物資を使用します。汚染が進んだため、アーユルヴェーダ薬を作るために使用されていた薬草は珍しくなり、アーユルヴェーダはこれらの薬草の変化とともに変わってきました。汚染がアーユルヴェーダを変えたと思います。

このインタビューを通じて、アーユルヴェーダが長い間支持されているのは、技術が正しく受け継がれているのと、自然のものを使用した体にやさしい治療法を提供しているからだと思いました。最近、健康や副作用を伴わない自然な治療法についての関心がますます高まっていると感じています。アーユルヴェーダはこのようなものに関心のある人々にとって非常に良い治療法だといえます。とても興味深いので、アーユルヴェーダのアプローチについてもっと知りたいと思うようになりました。

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HAANAでは、インドでアーユルヴェーダを学びたい、体験したいといった方や、ケララ州のことが知りたい、観光してみたいといった方のためにアーユルヴェーダのことはもちろん、ケララ州の魅力をたくさん伝えていきたいと思います。
よろしくお願いします。