【運営スタッフコラム】ヴィシュカニ、ヴィシュのお祝いのシンボル

インドの古代の占星術師は、太陽が12星座の牡羊座に差し掛かったときを新年と呼びました。この日はケララ州では「ヴィシュ(Vishu)」をいう名で、おめでたい日と捉えられています。このお祭りはインド全土で名前を変えて祝われています。アンドラ・プラデーシュ州とカルナータカ州では「ウガディ(Ugadhi)」、パンジャーブ州では「バイシャーキ(Baisakhi)」、マハラシュートラ州では「グディパドワ(Gudi Padwa)」、アッサム州では「ロナガリビフゥ(Ronagali Bihu)」と呼ばれています。Vishuの日に最初に目にしたものが来る一年を物語ると信じられており、人々は家の中の一角に幸福をもたらすとされる品々を用意し、ヴィシュの朝に皆がそれらを見れるように準備をします。これが「ヴィシュカニ(Vishukani)」と呼ばれる習慣です。

今回はヴィシュカニについてご説明します。

「ヴィシュカニ」の「カニ(Kani)」はマラヤラム語で「最初に見る物」という意味で、「ヴィシュカニ(Vishukani)」は「ヴィシュに最初に見る物」という意味になります。

ヴィシュカニの準備は、母親か祖母によって行われます。プージャルームという祈りの為の小部屋に、お花や野菜、フルーツ、服、金、お金などがヴィシュヌ神の置物か絵と共に置かれます。

多くいる神のうち何故ヴィシュヌ神なのかと言うと、ヴィシュヌ神は「創造の保存者」、そして「時間の神、カーラプルシャ(Kaala Purusha)」であると言われているからです。

ウルリ(Uruli)と呼ばれる、ケララ伝統の金、銀、真鍮、銅、鉄(この5つの成分をパンチャロハン(Panchaloham)と言う)から成るボウルに精米前と精米後のお米、そしてターメリックを置きます。パンチャロハンは宇宙の構成要素、地、水、火、風、空を表すと言われています。

扇子のように丁寧に折りたたまれた洋服を、プージャの際に水を注ぐキンディ(Kindi)と言うジョウロのような置物の中に入れます。金色の鏡、ヴァルカンナディ(Val Kannadi)もキンディに入れます。キンディをウルリに入れ、ウルリをお米の上に置きます。

半分にしたココナッツをディーパム(Deepam)と言うオイルランプ代わりにして灯し、ウルリの上に置きます。ディーパムの光は、神の神聖な知識を取り入れ、自らの無知を無くす、と言う意味を持っています。

vishukani-1ヴィシュカニに使用される花、カニコンナ(Kanikonna 、別名Cussia fistula)

金はヴィシュカニにおいて欠かせないシンボルです。カニコンナ(Kanikonna)と呼ばれる黄金色の花は、太陽が空で一番高い場所に位置する時に花開くと言われることから、プージャの際に使われます。金の硬貨は、文化、精神、富を象徴しており、これは年長者が年少者に分け与えるべきものとされています。ヴィシュカニで使われる野菜やフルーツで一般的なものは、バナナ、パイナップル、ジャックフルーツ、マンゴー、黄金色のキュウリ(インドで見られる大きいキュウリ)、などです。

ヴィシュカニに欠かせないものがもう一つあります。バガヴァッド・ギーターと呼ばれるヒンドゥー教の聖典です。知識の象徴であるこの聖なる本もヴィシュカニのアイテムの一つとして必ず見ることが出来ます。

vishukani-2ヴィシュカニ

母親か祖母はヴィシュカニの準備の後にプージャルームで就寝します。そして4時から6時の間に起床してオイルランプを灯します。次に家族の各メンバーの部屋に行き、目隠しをして一人一人プージャルームに連れて行きます。

vishukani-3母親が息子にヴィシュカニまで連れて行っている様子

その次に、老人や体が弱くてプージャルームに行けないメンバーにヴィシュカニを持ち出して見せます。ヴィシュカニは人間だけの為にあるわけではありませんので、外にいる鳥などの動物、植物など全ての自然界の生き物に見せる為に持ち出されます。

ヴィシュカニは神聖な知識の吸収と物質的な富の象徴であると言われています。ヴィシュカニを拝みながら、来る一年が幸多きものであるように、人々は祈ります。

ヴィシュカニには、生きとし生けるもの全てに幸運がもたらされるように、という願いが込めされています。

コメントは受け付けていません。


HAANAでは、インドでアーユルヴェーダを学びたい、体験したいといった方や、ケララ州のことが知りたい、観光してみたいといった方のためにアーユルヴェーダのことはもちろん、ケララ州の魅力をたくさん伝えていきたいと思います。
よろしくお願いします。